【完結】一途な想いは彼を狼にする
明美ちゃんの家に向かい始めると残るのは静寂だけで涼介は運転に集中しているのか息遣いだけがこちらに伝わってきた。
「……っ」
お酒のせいなのか分からないが身体が火照っている気がする。むしろお酒のせいにしたいぐらいだ。
「なぁ、合コンは楽しかったか」
「え、あ……うん。楽しかったと、思うよ?」
「ははっ、疑問形か」
渇ききった笑いに火照りが一気に冷めた。なぜなら涼介から殺気と威圧感を感じたからだ。
「ど、どうしたの?」
「いや、別に」
涼介から漂う空気は全体的に重くて、私は俯くことしか出来なかった。