iDOLの恋人~好きになった人は超有名人でした~
けれど目をそらせたのは一瞬で、テオは次の瞬間には笑顔でこっちを向いて、わたしたちはいただきますをしてご飯を食べた。
テオはとてもおいしそうに全部平らげた。

まだ23歳の育ち盛りのテオ。毎日ダンスやトレーニングをしているのもあってか、食欲は高校生並みに旺盛なのだ。

「とてもおいしい。毎日食べたいくらい。」

「そうかな?」

テオにそう言ってもらえると嬉しい。
料理は好きだ。
大学に入って一人暮らしをし始めてから作り始めたけど、いろんな国のものをまぜて創作したりするのも好きだし、オーソドックスなものも好きだった。
けど、今は仕事が忙しくてそんなに作れるわけじゃないけど…。

「うん。毎日…食べたい。」

わたしが口に冷奴をほおりこむとテオがじっとこっちを見てることに気づいた。

「ま…いにち?ってテオ?」

「いや…無理だけどね。」

テオは肩をすくめると食べ終わった食器をキッチンにはこびはじめる。

「洗うの手伝う。」

昨日までハードなライブをこなしていて疲れているだろうに、テオは洗い物を手伝ってくれた。

そのあとお風呂にはいってさっぱりしたテオはわたしがお風呂に入っている間に、わたしのベッドでスヤスヤと眠りについていた。

テーブルの上に『明日5:00におこして!」』って韓国語で書いて…。

テオ…なんて寝顔もステキなんだろう。
テオの寝顔知ってる人ってわたし以外に女の子で何人いるのかな…。

今までに噂になった芸能人たちを指折り数えても、片手では足りないほどいる。
女性KPOPアイドルや日本人の芸能人もいる。
今度、ドラマをはじめてやるって言っていたから、きっとそのうち女優さんとも噂になるだろう。

そのうち何人がほんとの彼女だったのかわからないけど、きっとその人たちもこの寝顔を知ってるのかと思ったら、少し妬いてしまう自分もいるけど、それでも今見れているからいいや…。

テオの寝顔を見ながら、わたしはゲストルームに入り、いつもと違う布団で眠りについた。
もちろん4:30にアラームをセットするのを忘れないようにして…。
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