iDOLの恋人~好きになった人は超有名人でした~
わたしは戸惑った。テオがどんどん近づいてきてわたしを両手で包み込むようにふわっと抱きしめたからだ。

思わず胸の奥がキュンと鳴ったような気がして、そのあと猛烈に心臓がドキドキとしきりに鼓動を打ち始めたではないか。

なっ…どうしたの?テオ???

「今日は来てくれてありがとう。うれしかった。」

「うん。テオ?どうしたの?」

テオのライブの後の汗のにおいがわたしの全体を包みこむ。

「莉奈。よく聞いて。」

「う…ん。」

何?テオ?
ドキドキドキドキ、心臓の鼓動は早まるばかりだ。

「サランヘヨ。」

「え?」

「愛してる。」

テオは韓国語と日本語で2回繰り返した。

「莉奈を愛してる。」

愛してるってどういう…?
韓国人っていうのは日本人みたいにこっぱずかしくなるような場面だけで、男女の仲のときだけ「愛してる」っていうわけじゃない。
すごく自分の感情はストレートに伝える民族で、家族や友人に対しても「愛してる」って親愛の情を表す。

これは親友としてってことなのかな?

「それはわたしも…。」
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