iDOLの恋人～好きになった人は超有名人でした～
「お前！誰だよ！」

莉奈はいなくて、リビングでノートPC広げたまま寝そべっていたその男は、起き上がって僕を見てキョトンと目を丸くしている。

「え？彼氏…ですか？」

「そうだよ。お前は誰だ？なんでここにいる？」

「いや…えっとあの…」

何でこんなしどろもどろなんだ。
だいたいなんだ？この男。
イケメンのくせに情けない顔しやがって、こんな男がなんで莉奈のマンションにいる？

「おい！立てよ！莉奈とどう言う関係か説明しろ！」

なんかむかついてきた僕は知らないうちに早口で韓国語を話していたらしい。

「えっ？」

その男が覗き込むように僕を見ている。

「まさか…いやでも…」

その男を睨みつけていたら、玄関ドアがカチャリと開いて、おそらく莉奈が帰ってきた。

「もしかして…」

莉奈が嬉しそうにリビングの扉を開けた。

「やっぱりきてた。テオ。」

「テオってやっぱり！そうだよな。あの…テオだろ？マジで莉奈ちゃんの彼氏なの？」

男が嬉しそうに僕を見た。

なんなんだ、この男。

莉奈とこの男の態度が腑に落ちない僕が2人を交互に見ていると、莉奈が少し焦った表情で僕の前に一歩進み出た。

「テオ。誤解してる？彼は結城亘。わたしの弟だよ。」

流暢な韓国語で説明した莉奈を僕はほけっとした表情で見つめた。
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