iDOLの恋人~好きになった人は超有名人でした~
「テオ、ごはん食べていくでしょう?」

ドキドキをごまかすためにわたしは立ち上がるとキッチンの方へ向かう。

「うん。明日の朝はやくに帰るよ。だからまた泊めてね。」

「うん…。」

朝までテオを独占できる…。
友達としてだけど…。

わたしはテオのために作ったテオの好物をテーブルに並べていく。

夏は暑いから冷しゃぶサラダと冷奴と日本の味噌汁。
テオは日本食はおいしいという。
もちろん韓国の料理も好きなテオだけど。
繊細な味がするって。

ごはんを並べ終わったところで、わたしのスマホが鳴った。

『はい。結城です。』

仕事の電話らしかったのでテオに断ってから電話に出る。

『休みの日にごめんね。莉奈ちゃん。』

会社の同僚の三澤くんからだった。

『どうしたの?』

『RACコーポレーションの契約書のことなんだけど…』

仕事の話を手短に済ませると、電話を切ろうとしたのだけど…

『あの…さ。』

『ん?』

『今度の日曜日飯行かないかなと思って…。』

『ごはん?』

どうしたものかと言葉に詰まった時だった。

「莉奈。ごはんまだぁ?」

とっても大きな声が目の前に座る男から聞こえてくるではないか。
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