iDOLの恋人~好きになった人は超有名人でした~
『え?もしかして彼氏?』

『え?いや。えーっとそん…』

『邪魔したね。じゃぁまた月曜日。』

電話は突然プツリと切れた。

「テオ。もう。仕事の話だったのに。」

ぷうっとほっぺをふくらませてテオを見る。

「最初はね。でも最後はデートに誘われてただろ。」

う…。
言葉に詰まる。

「莉奈が仕事を大事にしてるのは知ってる。だから仕事の邪魔はしないし、頑張って欲しいと思ってるけど、僕とのご飯を目の前にして他の男とデートの約束なんてしないでほしいな。」

テオの眉が吊り上がってる。

お、怒ってる…。

「僕は莉奈といるときは莉奈とリオのことしか考えてない。だから僕のことだけ莉奈も考えてほしい。」

テオ…待って…。そんなこと言ったら…テオがほんとにわたしのことしか考えてないのかって思っちゃうよ。
けど、友達として…だよね。

「せっかく一番の友達と1年ぶりに会ったのに、テオとの時間だったのにごめん。夕食も冷めるね。食べよう。テオ。」

「う…うん。そうだね。友達…。」

一瞬、テオが瞳をそらした。
いつも人の目をじっと見て話すテオなのにめずらしい…。

「莉奈のごはん食べよう。1年ぶりだからとても楽しみにしてたんだ。」
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