競馬場で騎手に逆プロポーズしてしまいました。
「さくらくん、ごめんなさい!私…競馬場であんな事やらかして…迷惑、かけたよね」
「さくらちゃん……顔をあげて」
軽く肩を叩かれて顔を上げると、私の好きなあたたかい笑顔があった。
「オレの方こそ、ずっと連絡しなくてごめん……憧れの騎手にはなれたけど。重賞を勝つまでは……と思っていた。さくらちゃんが地元に戻ってたのは知ってたけど。みっともない姿を見せたくない……なんて妙なプライドで意地を張ってたよ。特に最近勝ち鞍が少ないし…」
「そんなことない!」
自信なさげなさくらくんが見ていられなくて、私は思わず席を立っていた。
「さくらくんは、いつだってキラキラ輝いてる!日曜日だってカッコよくて……私のヒーローだよ!!」
力説してからハッと我にかえると……周囲の人達からの視線が痛い……ボワッと顔が熱くなり、すとんと椅子に座り直した。