競馬場で騎手に逆プロポーズしてしまいました。


「わぁ、かわいい!」

ふわふわの動物たちは、見てるだけでかわいいし癒やされる。うさぎを放し飼いにした触れ合いコーナーなんて、私には天国だ。
しゃがみこんで抱き上げたうさぎは大人しくて、気をつけながら触らせてもらう。

「さくらくん、見て!もふもふかわいい!」

パシャ、とシャッター音が聞こえて見上げれば、さくらくんがスマホのカメラで私を撮ってた。

恥ずかしくなって慌ててうさぎで顔を隠して抗議をしておく。

「もう!さくらくんやめてよ。私、汗だくだし髪型だって……」
「ごめん、ごめん!だって……さくらちゃんが……その……すごく可愛かったから」

ほんのりと顔を赤くしながら、頬をポリポリと掻く……照れた時の癖。

「え……わ、私が……かわいい?」

今日は少しだけ髪をブローして、白にブルーのストライプのシャツに、淡いブルーショーパンにサンダルなんて格好だけど。

「う、うん。オレにはいつもかわいいけど……今日は特に。オレのために一生懸命頑張ってオシャレしてくれたかと思うと……めちゃくちゃ可愛くて」

言ってるうちにさくらくんはもっと顔が赤くなって、耳まで真っ赤っか。

「……ごめん、ヤバい。オレ、みっともないよな……」

恥ずかしくなったのか、照れ隠しに帽子を深く被り顔を隠そうとするさくらくんこそ、可愛くてヤバい……!

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