競馬場で騎手に逆プロポーズしてしまいました。


「……まあ、そう嘆きなさんな。こういう時にはおすすめしたいことがあるんだけど?」
「……はい?」

少し顔を上げて目を向けた先には、何かを企んだような由良先輩のニンマリ笑顔があった。


☆☆☆☆☆


たくさんの人、人、人。
一見どこぞの大規模施設かと見間違えるような、現代的で綺麗な建物と大きな総合公園のような緑があふれ静かな環境。ごみはめったになくて、従事してるスタッフも愛想がいい。

訪れるのも男性ばかりでなく、カップルや小さい子どもを連れた家族連れや若い人たちも多い。イベントではキッチンカーやキャラクターショーもやっていたり、ミニチュアホースやヤギもいたり…まるっきりアミューズメントパークのような雰囲気に、圧倒されそうになった。

「どう?初めての競馬場の感想は」

隣にはラフなパンツスタイルの由良先輩。長い栗毛を結い上げ、帽子を被っててカッコイイ。

対する私は……いつものシャツとGパンスタイル。地味な黒髪ショートにナチュラルメイクという手抜きで、全く色気なしだ。
< 3 / 65 >

この作品をシェア

pagetop