競馬場で騎手に逆プロポーズしてしまいました。
午後にはミニチュアホースやポニーの騎乗体験ができるコーナーへ。
土曜日だけあって人気があり、すごく賑わってる。
ちなみに、普通の馬とポニーの区別は体高。肩までの高さが147センチ以下でポニーと呼ばれる。
「わ、わわ…っ待ってよ!」
相変わらず、馬との相性はよくないのか、全然言うこと聞いてくれない……。
そばにいるさくらくんがクスクス笑うから、涙目で睨んであげた。
「相変わらずだね。小学生の時も扶助(ふじょ・馬を動かすための命令を伝える動作)が不得手だったよね」
「だって……どうしてもその感覚が掴めなかったんだもの。仕方ないよ」
ぷうっと頬が膨らんでしまう。
そりゃあ、幼稚園の頃から馬に親しんできたさくらくんには、呼吸するように当たり前にできるかもしれないけど。
「そうだね……オレは生まれた時から馬に触れてたからな」
さくらくんの呟きにはなにか寂しげな響きがあって。彼を励ましたい私は、思い切って速歩(はやあし)の扶助を試してみる。
すると、思いの外上手く行ってポニーがトコトコ歩いてくれる。
「ほら、ほら!さくらくん見て!私だって才能あるー!天才!」
ドヤ顔してみれば、「それくらいで天才?」と彼が笑顔になってくれてほっとした。