競馬場で騎手に逆プロポーズしてしまいました。
翌日、駅で待ちあわせた由良先輩と合流し競馬場へ向かう。
「へぇー、うまくいったんだ。よかったね」
「はい!」
ライムでやり取りはしてた。けど、やっぱりこうして顔を合わせて直に報告すると、なんだか恥ずかしいけど……幸せでこそばゆい気持ち。
「幼なじみが20年ぶりに再会して恋人に……かぁ、なんだかマンガみたいね!」
「そ、そうですか?でも…たしかに私もまだ信じられない気持ちです。ふわふわして雲を踏んでるみたいで」
さくらくんと付き合いだしてから、なんだかすべてが新鮮に感じられる。彼の努力を知ったから、私も頑張らなきゃって思えて。苦手な事も逃げずに取り組むようになってた。
「わかるな……幸せって、感じれば感じただけなぜか不安になるんだよねえ。アタシも一度失敗したからさ……」
ふう〜とため息をつく由良先輩は、一度婚約破棄されたことがある。だから今はアタシはひとりで生きる!を公言して憚らないし、実際男性顔負けの営業成績を上げてる。そんな強さに、いつも憧れてた。