競馬場で騎手に逆プロポーズしてしまいました。

「えっ……体重がオーバー?そんなことがあるんですか?」
「そうよ。馬に乗るには身につけたり馬に付けたりする馬具も含めた重さを決められた数値以内にキープしないといけないの。その数字は厳密に定められてる。つまり、体重管理できない時点でプロ失格ってこと。信頼も失うでしょうね」

由良先輩の説明に、さぁっと顔から血の気が引くのを感じた。

「にしても、桜宮騎手は今まで重量超過なんてしたこと一度もないのに珍しいわね……って、さくらっち!顔が真青じゃない。大丈夫!?」

由良先輩が心配してくれるけど、確かにガタガタと体が震えてくる。

「せ、先輩どうしよう……わ、私……」
「どした?気分が悪いの?」

ぶんぶん、と頭を横に振った。

「違うんです!さくらくんは悪くない……悪いのは私なんです……だって……だって!わ、私……さくらくんに……」

先輩がうん、と相づちをうつ。ぶわ、と涙があふれてきた。

「これくらいすっごく大きなおにぎり……食べさせちゃったんです!!」

私が悲痛な面持ちで、両手で大きさを表現しながら告白したら……。

由良先輩が、盛大に噴き出した。

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