競馬場で騎手に逆プロポーズしてしまいました。
しばらくしてさくらくんの姿が見えたから、呼ぼうと手を上げたけどーー
そのそばに20代前半くらいの、髪が長い体にピッタリしたワンピース姿の美女がいるのを見て、咄嗟に馬房に逃げ込んだ。
「待ってよ、翔馬!食事くらいいいでしょ。一度行った事があるんだもの」
「あのとき、一度きり、と言ったはずです」
「2度も3度も変わらないわよ。ああ、まさかあの幼なじみって女のため?大丈夫、わたしはあんな程度の遊びなら目をつぶってあげるから」
(一緒に食事?幼なじみの女…?遊び?一体なにを言ってるの!?)
ふたりの会話が衝撃的過ぎて、頭が真っ白になった。さくらくんは、あの美女とご飯に行ったことがあって…私のことは遊び…?
(う、ううん…決めつけるのはまだ早いよ!きちんとさくらくんから聞かなきゃ…そうだよ。ひとりでうじうじして決めつけるより…ちゃんと話すの。きっとさくらくんは否定してくれるから)
その後なにか話してたけど、すべて耳からすり抜けていく。私は逸る気持ちでさくらくんが来るのを待った。