競馬場で騎手に逆プロポーズしてしまいました。

思い出すな……


お父さんのいなかであるおばあちゃん家の近くには乗馬クラブがあって、そこの数歳上だった男の子が私によく声をかけてくれたんだ。


名前は……確か、私と一緒だな、って嬉しそうに笑ってたっけ?

その男の子はこっそり厩舎に連れて行ってくれて、馬に触らせてくれたりポニーの背に乗せたりしてくれたな。

私は乗馬クラブに入り浸る日々。男の子のお父さんとも顔見知りになった。おじさんは私のお父さんの同級生だったらしい。

ちょっとのあいだだけど、ポニーの乗馬レッスンにも参加させてもらえたり…楽しかった。
結局、才能なくて諦めたけど。

男の子はサラブレッドも乗りこなすくらいだったし、夏休み地域であった草競馬大会でも当たり前に優勝してた。確か、なにかの全国大会の地区代表にもなった気がする。惜しくも準優勝だったって悔しがってたけど。

2人で自転車を漕いでこっそり行ったのが、古びた施設の競馬場だった。家族連れに混じったふりして入り込んだんだ。
< 5 / 65 >

この作品をシェア

pagetop