競馬場で騎手に逆プロポーズしてしまいました。
「すまなかった…娘のせいで君たちをこじらせてしまったようだ」
アケボノソウの馬主だった佐倉さんに頭を下げられ、いいえ!とぶんぶん手を振った。
「いいんです!おかげで私もさくらくんをどれほど好きか、自分でもわかりましたし…」
「え、さくらちゃん…」
ついに口にしてしまったことが恥ずかしくて、顔が熱い。
「それでもなにかお詫びをさせてくれ、わしの気が済まん」
「そこまで言うなら…さくらくんをずっとアケボノソウに乗せてあげてください」
無事であったアケボノソウ。あれだけ派手に転んだのに、傷一つなくピンピンしてたらしい。
佐倉さんにアケボノソウの継続騎乗を頼むと、「そんなことか。お安い御用だよ」と請けおってくださった。
「さくらちゃん、ありがとう…好きだよ。もう一度、チャンスもらっていいかな?」
「さくらくん…よろしくお願いします…」
こうして、さくらくんと私は無事に仲直りできた。