競馬場で騎手に逆プロポーズしてしまいました。
青空の下、表彰式は皆晴れやかな表情だった。
桜花賞の優勝レイ(馬の首に飾る布地)をかけたアケボノソウも得意げに見えた。
そして、表彰式の優勝ジョッキーインタビューの時に、さくらくんは予想外のサプライズをしてくれた。
「……今まで一番支えてくれたさくらちゃんに、お礼をいいたいです……そして」
表彰台から降りたさくらくんが歩いてきたのは、わたしの目の前で。彼はどこからか出した指輪を手に、私へこう告げた。
「さくらちゃん、結婚してください」
突然のプロポーズに驚いたけど、ブワッと涙があふれる。幸せの、涙だった。
「はい…よろしくお願いします…」
私がそう答えさくらくんが指輪を薬指にはめた瞬間、わぁっ!と周りから祝福の拍手が沸き起こる。
周りの満開の桜が、すべてを優しく包み込んでいく。数ヶ月後、幸せのベルが鳴り響いた。
(終)