極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
「うーん、少し張りがあるようだけれど、今のところは大丈夫ね。でも、頑張りすぎかな。出来れはしばらく安静にする方がいいんだけれど?」

どうやら仕事を休めって言われているようだ。
でもなあ、私が休んだらお店が開けられない。

「なるべく無理をしないようにします」
そう答えるのが精一杯だった。

「わかりました、お母さんにはお母さんの事情があるものね。でも、太郎君はそれでは納得しないと思うわよ」

やっぱり。
私もそんな気がするけれど、私にだって生活がある訳で・・・

「黙っていてもらうわけには」
「無理ね。彼も医者だからカルテを見る権限があるし、私だってカルテに嘘は書けないわ」
「そうですよね」

困ったな、太郎さんなら仕事を休めって言うに決まっている。
下手すると、自分が休んで面倒を見るからと言い出しかねない。
そうなったら、太郎さんを説得できる自信が私にはない。
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