極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません

東京から車で2時間。
何もない田舎町だよって太郎さんは言っていたけれど、到着した町はわりと大きなところだった。

「僕は仕事で遅くまで起きていることがあるから、美貴さんは奥の寝室を使って」
「はい」
「着いてすぐで悪いけれど、大学病院へ顔を出してくるよ。2時間くらいで戻るから。食べ物は冷蔵庫に入っているはずだし、足りないものがあればすぐ隣に24時間営業のスーパーもあるから。もちろん僕に連絡をくれれば買って来るよ」
「大丈夫、1人で買い物くらい行けるわ。それに、せっかくだから近くを散歩してみたいし」

知らない土地って新しい発見があるようでわくわくする。
それにマンションの周りには公園もあるみたいだし、歩いているだけで気分転換になりそう。

「とにかく無理だけはしないでね」
「はぁい」

本当に、太郎さんって心配症。