極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
そのあと少しだけ公園を歩きマンションに戻ると、建物の入口でさっきの親子ずれに遭遇した。

「こんにちわ」

先ほど公園で出会ったこともあり、きっとマンションの住人だろうと声をかけた。

「こんにちわ」
親子連れもニッコリと挨拶を返してくれる。

「お散歩ですか?」
勝手に親近感を感じた私はさらに聞いてしまった。

普段なら、知り合いでもない人にこんなに親し気に話しかけることはしない。
それだけこの親子のことが気になっていた。

「ここに兄が住んでいるもので、荷物を届けに」
「お兄さんが・・・」

あれ、
ちょっと待って、

「もしかして、お兄さんって、高城太郎さん?」
「ええ」

ああ、じゃあこの人が絶品手作り総菜の主。

「じゃあ、あなたが?」
「ええ、田上美貴と言います」
「私、妹の真理愛です」
「「はじめまして」」

まさかの偶然で、私は太郎さんの妹さんと出会ってしまった。
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