極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
「何を言っても『嫌』しか言わないし、すぐに怒りますしね、本当に誰に似たんだか」
困ったものですと真理愛さんは言うけれど、とっても幸せそう。

その横で、パックのジュースを持って部屋の中を走りだす敬也君。
ああ、ああ、こぼれるよって言いそうになったけれど、我慢した。
子供がいればいちいち気にしてもいられないのかもしれない。そんな気がした。
そして、思った。
私、本当に一人で子供が育てられるんだろうか。不安だな。


「お、敬也、来てたのか」
いつの間にか帰ってきた太郎さんが敬也君を抱き上げる。

「わぁー、太郎おじさん怖いよー」
太郎さんがダイナミックに肩まで抱き上げたものだから、敬也君が引き気味。

「ちゃんとママの言うこと聞かないと、タンスの上に乗せて降りれないようにするぞ」
「ヤダー」

フフフ、かわいい。
さっきまでわんぱくだった敬也君が泣きべそかいている。
それにしても、私や真理愛さんの時とは反応が全然違うじゃない。
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