極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
「男の子だからかしら、最近では私の言うことを聞かないことも多いの」
「へー」
子育てって、難しいのね。

「大丈夫ですよ、お兄ちゃんならいいパパになりますから」
「え?」

もしかして、真理愛さんは私が妊娠していることに気が付いているんだろうか?
まさか太郎さんが話すとは思わないけれど。

「美貴さん、どうしたの?大丈夫?」
黙り込んでしまった私を気遣う太郎さんが、心配そうな顔。

「ええ、大丈夫」

今のところ体調はいい。
ただ、出産と子育てへの不安が大きくなりつつある。
そして、太郎さんは何の意図があってここに私を連れてきたんだろうかと考えている。
もしかして、『子育てってこんなに大変だぞ』『一人でなんて育てられないぞ』そう言いたくてここ来たって言うのはうがった見方だろうか?

「美貴さん本当に大丈夫?敬也が騒いだから疲れさせたんじゃない?」
「違うわよ」

私はただ、怖くなっただけ。
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