極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
たった数日間だったけれど、私は太郎さんの地元でゆっくりさせてもらった。
食事はほど真理愛さんが持ってきてくれるし、掃除も洗濯も太郎さんがしてくれて、ただのんびりと過ごした。

「明日の朝帰るけれど、どこか行きたいところはない?」

帰る前日の夜に聞かれ、
「できればお父様とお母様に挨拶をして帰りたいわ」
素直な気持ちを口にした。

こっちに来て2日目に、私は太郎さんの実家にお邪魔した。
もちろん行く気があるのかと太郎さんに聞かれ、自分で「行きたい」と答えた。
産科の部長先生の友人って聞いたお父様のことだから妊娠のことも知っていらっしゃるのかもしれないけれど、そのことは言わず太郎さんの親しい友人として挨拶をした。
お父様もお母様も「いらっしゃい。よく来たね」と笑顔で迎えてくださった。

「わかった、実家に寄ってから帰ろうか」
「うん」

「ところで美貴さん、少し話をしたいんだけれどいいかな?」
「ぇ、ええ」
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