極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
何度も何度も、美貴さんに電話をかけた。
不思議なことに携帯の電源は入ったまま。
当然、向こうには俺のかけた電話の着信が残っているはず。
それでも、一向に電話に出てくれる様子がない。

『逃げてどうするの?』
『こんなことをしても、何の解決にもならないでしょ?』
『美貴さんらしくないね』

電話をかける合間に送るメッセージも、普段の俺からするとかなりきつめ。
まあそれだけ、俺も頭に来ているし、余裕がなくて焦ってもいる。

『知らない土地で無理をして、何かあったらどうするの?』
君は妊婦なんだよ?
さすがに最後の一文は思いとどまった。

マズイな、どんどん本性が出てきている。
自分でも歯止めが効かない。

ピコン。

ん?
今度は真理愛から。

「はああ?」
送られてきた写真を見た俺は、思わず声が出てしまった。
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