極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
「ここは自分の農園でとれたフルーツだけを使ってパフェを作るので、新鮮で美味しいんです。季節限定なのでメニューは多くないんですが、味はお勧めです」
「へー」

真理愛さんお勧めの季節のパフェを注文し、出てきたのは桃のパフェ。
ほんのりピンク色でいかにもみずみずしい照りとツヤ。

「うぅーん、美味しい」
地団駄踏んでしまいたくなるくらいの絶品。

「よかった。実はここうちが経営しているんです」
「はぁ?」

それは、えっと・・・
お店の名前は、『パーラー小鳥遊(たかなし)』。
そう言えば真理愛さんの苗字も小鳥遊だった。

「嫁ぎ先がもともと大きな農家で、今でも果樹園を営んでいます。とは言っても今は株式会社にして人を使ってやっていますけれどね」
「ふーん」

どうやら真理愛さんの嫁ぎ先も、お金持ちみたいね。

「今度、美貴さんのお家にもフルーツや野菜を送りますね」
「ありがとう」
「いえ、美貴さんに喜んでもらえばおじさまもおばさまもうれしいと思うので」
「え?」

真理愛さんの言った「おじさま、おばさま」って言葉がなぜか引っかかった。
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