極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
「それで、今日子供たちは?」
「旦那が見てるわ」
「ふーん」
「たまにはいいわよ。私なんて24時間子供と一緒なんだから」

泉美は2年前授かり婚で弁護士と結婚した。
結婚と同時に仕事を辞め、今は1歳半になる双子のママとして育児に専念している。

「でもまあ、世間的に言えば理解のある旦那だと思うわよ」

たとえ月に一度でも妻を飲みに行かせてやろうっていうのが優しいじゃない。
世の中には結婚した途端、妻のことを女として見ない男も多いのに。

「それが結婚した時の約束だからね」
「ふーん」

私も泉美も元々結婚願望はない。
人に頼って生きようと思ったことはないし、専業主婦なんて論外だと思っていた。

「それにしても、あんたがママねえ」
つい感慨深くつぶやいてしまう。

泉美には泉美の事情があったのだろうけれど、まさか結婚して専業主婦になるとは想像もしなかった。

「美貴だって人生観が変わるほどの男に出会えばわかるわよ」
「へー」
人生観ね、ありえない。
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