極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
「はあ?一緒に学校へ行くの?」
「うん、桃花1人にはできないし。私も仕事があるし、あなただって高校に行かないといけないでしょ?」
「そりゃあそうだけれど・・・」
いくら休むことが多いと言っても、最低限の出席日数は私にだって必要なんだから。

母さんの提案は本当に予想外なものだった。
まさか駿に一緒に通学してもらうなんて言い出すとは。
でも後になって考えれば、最初から桃花がそうお願いしていたのかもしれない。

「母さんからも言うけれど、美貴からも駿君にお願いしてくれない?」
「・・・うん。・・・分かった」
結局そう答えるしかなかった。

今思えば、あの日からすべてが狂いだした。
私にとって駿が特別な人だったように、駿にとっても私は特別な存在だと思っていたのに、違ったんだと気づいたのはそれから数か月後のこと。
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