極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
「それにね、女からの電話がかかってくるのよ」
「女?」
「うん」

泉美の話によると、気が付いたのは1週間くらい前。
毎日ほぼ同じような時間にかかってくる電話で、その電話がかかると旦那さんは自分の書斎に入って行くらしい。
旦那さんがいないときにこっそり着信履歴を確認すると登録名は『AOI』。
当然泉美にはアオイって人に心当たりはない。

「仕事上の関係者じゃないの?」
「違うわよ。かかってくるのは仕事用じゃなくて、プライベートの携帯なのよ。仕事の関係者なら仕事用の携帯にかけるはずでしょ?」

まあ、確かに。
弁護士なんて仕事をしていれば、親しい人以外にプライベートの番号なんて教えない。

「じゃあ、直接聞いてみなさいよ」
「イヤよ」
「はあ?」

ああ、もう、意味が分からない。
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