極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
「で?」
「えっ」

数日後、泉美と飲みに出た夜。
だいぶ痩せてしまった私の変化を、泉美は見逃してくれなかった。

「随分辛そうじゃないの。悪阻でしょ?」
「ぅん」
私は素直にうなずいた。

妊娠を自覚してから、どんどん悪くなっていく体調と戦いながら過ごしている。
誰にも相談することもできず、病院へ行く時間もなくて、ただ周りに気づかれないようにと必死だった。

「おめでとう」
「・・・ありがとう」

やっぱりこれっておめでたいのかな。
まああれだけ子供が欲しいって豪語していたんだから、喜ぶべきことなのかもしれない。
でもなあぁ・・・

「今どのくらいなの?」
「・・・3ヶ月」

病院に行っていないからはっきりはしないけれど、身に覚えがあるのはあの日だけ。そこから計算するとそういうことになる。

「相手は太郎さんね」

ウッ。
一瞬、息が止まった。

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