極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません

厄介なお客さん

「美貴さん、大丈夫ですか?」
トマトとキュウリを切っただけの味のないサラダでランチをとる私に、沙月ちゃんが声をかける。

私の計算で、妊娠3ヶ月。
妊娠に気づいてからも10日が過ぎた。
相変わらず悪阻はきついものの、不思議なもので体の方が慣れてきたのか少しずつなら食べられるようにもなった、
さすがに体重は落ちたままだけれど、何とか日常生活を取り戻しつつある。

「あんまり無茶すると体を壊しますよ」
「大丈夫、朝と夜は普通に食べているから」
「ならいいですけれど」
私がダイエットをしていると思っている沙月ちゃんは心配そう。

でも、今はまだ妊娠したことは言えない。
きっとそのうちお腹も大きくなって黙っていられないときは来るんだろうけれど、それまでは知られずに過ごしたいと思っている。
何しろ一番知らせないといけない人に言えてないんだから。
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