極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
不器用な嘘
「で、今度の土曜日に太郎さんの家に行くの?」
久しぶりに店に顔を出した泉美が、お気に入りの紅茶を飲みながら聞いてきた。
「うん、そのつもり」
太郎さんに急な仕事が入り約束が1週間伸びたけれど、今度の週末にタロウを連れて遊びに行くことになっている。
悪阻のせいで食べられなくて苦しんでいた私も、すっかり普通の生活に戻った。
少しづつお腹が出てきて動きにくくはなっているけれど悪阻が楽になっただけでも天国のようで、反動で食べすぎてしまうこと以外は今のところは順調だ。
「そろそろ話した方がいいんじゃないの?」
「うん」
いつまでも黙っていることはできない。お腹が目立つ前に話そう。そう思っていた。
でも、
「来月末、太郎さんが地元に帰るらしいの」
「え?東京を離れるの?」
「らしいわ」
詳しい事情は分からないけれど、もともと地元の大学病院に勤務していた太郎さんは1年間の出向として東京へ来ていたらしい。
当然期間が終われば地元に帰って行くことになる。
「もしかして美貴、このまま黙っていようとか思ってるの?」
ウッ。
さすが泉美、鋭い。
久しぶりに店に顔を出した泉美が、お気に入りの紅茶を飲みながら聞いてきた。
「うん、そのつもり」
太郎さんに急な仕事が入り約束が1週間伸びたけれど、今度の週末にタロウを連れて遊びに行くことになっている。
悪阻のせいで食べられなくて苦しんでいた私も、すっかり普通の生活に戻った。
少しづつお腹が出てきて動きにくくはなっているけれど悪阻が楽になっただけでも天国のようで、反動で食べすぎてしまうこと以外は今のところは順調だ。
「そろそろ話した方がいいんじゃないの?」
「うん」
いつまでも黙っていることはできない。お腹が目立つ前に話そう。そう思っていた。
でも、
「来月末、太郎さんが地元に帰るらしいの」
「え?東京を離れるの?」
「らしいわ」
詳しい事情は分からないけれど、もともと地元の大学病院に勤務していた太郎さんは1年間の出向として東京へ来ていたらしい。
当然期間が終われば地元に帰って行くことになる。
「もしかして美貴、このまま黙っていようとか思ってるの?」
ウッ。
さすが泉美、鋭い。