迷信を守らず怪異に遭遇し、必死に抵抗していたら自称お狐様に助けてもらえました。しかし払う対価が、ややエロい件についてはどうすればいいのでしょう。
女子高生のお部屋(四)
「さあ、寝るぞ。添い寝してくれるんだろ?」
そう言うシンの顔はかなり意地悪だ。
「だって……ひとりじゃあ寝れないし。でも、変なことしないでよ」
「そんな貧にゅ……」
いつものようにすねを思いきり蹴り上げる。
「ぐっ。だから、蹴るなって」
「失礼なこと言うからでしょ」
「千夏、おまえそれで神隠しのやつも倒せるんじゃねーか?」
「はあ? 蹴りくらいで倒せたら、苦労しないし。馬鹿なこと言ってないで、寝るよ。……とりあえず、手だけ繋いで」
布団に座り、シンの手をつかみ座らせる。
考えれば、ある意味すごい光景だ。
男の人と一緒に寝るなんて、少し前なら絶対にあり得なかったのに。
「手じゃなくて、そこは後ろから抱きついて寝るシチュエーションだろう、馬鹿か」
「ヤバ、ホントに変態だ」
頼む相手を私は間違えたのではないだろうか。
「なんだよ、フツーだろ」
「どこ目線での普通よ」
「そりゃあ、本……」
座っていて蹴ることの出来ない私は、シンの頭にチョップを食らわす。
こんなことをするのは中学生か小学生以来だろうか。
やっぱり、シンは中二病だなと改めて思い知った気がすした。