迷信を守らず怪異に遭遇し、必死に抵抗していたら自称お狐様に助けてもらえました。しかし払う対価が、ややエロい件についてはどうすればいいのでしょう。
道祖神(四)
「おまえさんの考えていることは分かるが、それでも人は人、怪異は怪異でしかないさね。余計な考えはやめることさ。おまえさんについている、あの狐も所詮は怪異。よく考えないと痛い目を見るよ」
「ふふふ。でも、こうして私のこと心配してくれるんでしょ」
見ず知らずの、ただの通りがかった者でしかない私のことを。
その思いはやはり怪異でも人であってもうれしい。
この町に戻ってきてから、まともに話せたのが怪異だけというのは少し困ったものだと自覚はある。
「家もなんだか息苦しいし、ここはのんびりでいいですね。あーあ、帰ったら長の話もしなきゃいけないし気が重い……。だいたい、私はなんの力もないのに」
「本当にそうかい?」
「え?」
自分では自覚するような力はない。
しかし、先ほども言われたように戒よりも力があるという。
もし仮に全く力がないとすれば、こんな風に異界のモノとしゃべることなど出来ないのではないかと思う。
でもここに来るまでは、一回だってお化けや怪異など見たことはなかったのに。
「見ようとしないのも、また力だということさ」
「私が自分から見ないようにしてるってことですか?」