淋しがりやの足跡

「また背が伸びたんじゃないのか?草一」



嬉しそうに目を細める史郎さんは上体を起こし、草一と同じような顔で笑った。



「おじいちゃん、高校生の時は何か部活に入っていた?」



突然の草一の質問に目を丸くしつつ、
「写真が好きだったからな。写真部っていう部活に入っていたぞ」
と、答える史郎さん。



すると草一は、
「……じゃあ、写真部に入る。A高にもし写真部がなかったら、写真部を作る。作れなかったら、カメラを買って自力で学ぶのもいいね」
と宣言した。



「なんだ?どういうことだ?」



史郎さんも私も、草一の言葉に理解が追いつかない。



「おじいちゃんと同じことを、学んでみたいんだよ」



当然のことのように答えた草一に、私は胸が熱くなる思いだった。

きっと史郎さんだって同じだと思う。



そうよ。

草一は小さな頃から史郎さんのことが大好きで。

史郎さんのあとをついて回る子どもだった。


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