淋しがりやの足跡
「ツボ押しとか、お灸とか、整体とか。そういうことに興味があるんだけど、お母さん相手に足の裏をマッサージするとね、すっごい褒めてもらって感謝までされてね」
「ほぅ、いいなぁ、それ」
と、史郎さんが羨ましそうに言う。
「今度おじいちゃんにもしてあげるね。あたし、結構うまい自信あるよ」
百花はやっと笑顔になった。
「私もお願いね」
すかさず私が手をあげて言うと、百花は慌てて何度も頷いてくれた。
「へぇ、知らなかった」
草一が感心したように言うと百花は、
「仕方がないからアンタにもやってあげる、マッサージ。お話を書いていたら、肩が凝るでしょ」
と、お姉ちゃんの顔をした。
お昼の時間になった。
百花と草一は家に帰るという。
「今日はお前ももう帰るといいよ」
史郎さんがそう言って、
「ノートだけ渡してくれ」
と、手を伸ばした。
孫達はキョトンとして、
「何?なんのノート?」
と、私に聞く。