4番目の彼女
 私はきっと本気の恋愛に向いていない。
 前彼は、年上の人だった。優しくていろんなところに連れて行ってくれていろんなことを教えてくれた。私はすぐに彼に夢中になった。

 私の世界は彼しか見えなくなり、大学も休みがちになって彼のところに入り浸った。私は彼のもので、彼は私のもの。そんな風に二人で一つになりたかった。

 一日に何度も『今、何してる? 』のメッセージを送り、返事がないと『だって、不安で……』と泣いた。

 昔からそう、思い込むともうそれしか見えなくなって、猪突猛進。向こう見ず。
 彼からの最後の言葉は『付き合いきれない』だった。


 どうしようもないほど重い女になっていた自覚は、


今ならある。


 もう、周りが見えない恋はしたくない。
 好きな人の負担になるような恋はしない。





 ──なのに、なんで三日連続この部屋に来てるんだろう。
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