4番目の彼女

9.バスルームにて

 彼は、濡れて肌に張り付いた白いTシャツやズボンを乱暴に脱ぐと、モダモダしている私の手を取ってお風呂場のドアを閉めた。ベッドではいつも明かりを落としているから、お風呂場の明るい照明の下で徹志くんの体を見るのは初めてだ。

「なんかすごい」

「何が?」

「筋肉」

 腹筋に縦に入っている線をすーっとなでると彼がピクリと固まった。

「くすぐったい? 」

「いや、なんか……触り方いやらしいから。ねぇ、こっちも触って」

 勃ちあがったものを触るのも見るのも初めてはないはずなのに、すごく恥ずかしい。泡立てたボディソープと共に私の手を包んでお手本のように上下させると、瞬く間に固く熱くなっていく。

「すっぴんのきぃちゃん。中学生の時と変わらないね」

「そんなわけないじゃない。あんまりじっくり見ないで」

 彼は『わかった』とつぶやくと瞳を閉じて唇を寄せた。ちゅっちゅっとキスをする音がいつもより響く。

 彼に触れられる快感をすっかり覚えてしまった体が、敏感に反応してしまう。

そこからは、もう私の声がお風呂場でやけに響いていたことしか覚えていない。

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