4番目の彼女
「ちょっと、ちょっと待って」

「待てない」

「いや、だって徹志くん他にも彼女いるんでしょ」

「は? 」

「私のほかに少なくとも三人。私は4番目だ。って」

「誰がそんなこと……きぃちゃん以外いないよ」

「徹志くんが言ったんだよ。あのパーティーのあと朝帰る時に、私は4番目だ。って」

「あれは、ダンス大会の話だったじゃん。トロフィーみながら世界一とれなかったんだなって沈んだ顔してた」

「そういう意味でトロフィー見てたんじゃないよっ。だって徹志くん、めっちゃ女慣れしてて。メイク落としとかあって、ほかに彼女いるんだなって」

「だから、あれは俺のだし。きぃちゃんをずっと尊敬してたって言っておきながら、あれだけど……彼女だって前にいなかったわけじゃないよ、けど今はいないし。いないっていうかきぃちゃんだけだし」

 他に彼女はいなくて、私だけなの? もし本当にそうだったら嬉しいよ。嬉しいけど、私が徹志くんを好きになって、なりすぎて、うざくなって、困らせて、それですぐにフラれたらどうしたらいい?いや、どうもしないんだけど。ん?どうもしないわけないよね、えーっと。今よくわからない!

「ごめん。今日は帰る」

 私は急いで、徹志くんの部屋を飛び出した。
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