4番目の彼女
◆ある居酒屋での男たちの会話(番外編SS)
◆ある居酒屋での男たちの会話(番外編SS)
(クリスマスに会う約束をした 辺りの徹志サイドのお話)
「おお!ザワ~こっちこっち」
居酒屋ののれんをくぐった途端、手招きをして俺を呼んだのは、高校時代からの悪友トモキ。
会沢徹志のザワというのが、俺の愛称でもありダンサーの時に使っている名前だ。
「うぃーす」
ざわついたフロアから少し奥まったところにある個室は俺たちの定番の席だ。
「久々に来たけど、有名人と一緒だからな。個室空いててよかったわ」
そう言ったのは、ヨシタカ。
「今や、日本一のダンサーのコーチ会沢徹志先生だもんな」
「やめてくれよ。生徒の親に会うと面倒だから、個室が気楽なだけだよ」
店員さんからおしぼりを受け取りながら、早速ビールを注文した。
先日、俺が経営するダンススクールは5周年を迎え、しかも生徒の一人が大きな大会で優勝するという快挙を成し遂げてくれた。
今夜はそのお祝いを忘年会も兼ねて二人がしてくれるという。
「やっぱ、さあ、ザワは生徒の親から言い寄られたりすんの? 何人食ったんだよ!」
「食わねぇよ! ”次のイベントや発表会ではうちの子をセンターにお願いします”会うと大体これ」
「あぁ~~」
トモキとヨシタカは、つまらなそうにポテトをかじった。
「ちゃんと実力とかも見極めて、順番にセンターになる様に必死で振り付けと配置組んでんのに。あの子の方が長いとか、ほんともう、どうにかして欲しい」
「お疲れちゃーん、それよりさ5周年と生徒の優勝おめでと~~う!」
「ありがと!」
カツンと乱暴にジョッキが合わさる。
「っていうかさ、ザワも初恋の女神拗らせてないで、そろそろ女作った方がいいじゃねーの」
「だよな。前の彼女も短期間で別れちゃってさ。いい子だったじゃん」
黙っていようかとも思ったが、こんな世界一の幸せを黙っていられるはずがない。
「おまえら、聞いて驚くなよ。俺はとうとう女神と付き合うことになったぞ」
「ウソ!」
「まじか!あのこけしヘアの?」
「こけしって言うな、ボブカットだ」
確かに中学の卒業アルバムのきぃちゃんは、写り的にちょっとこけし感合ったけど、それは黙っておいた。
「会わせろよ~」
「絶対、ヤダ」
「あぁ、成人式の日に女神に彼氏がいることを知って、4回目の世界大会への挑戦を取りやめたザワ君に教えてあげたい」
「あー、それ言うな。もう二度と口にするな。俺のメンタル傷つけるな」
世界一になってきぃちゃんの前に颯爽と登場しようと思ってた。
それが出来ないと彼女の前には行けないと思ってた。
だけど、そんなことに囚われてる間にきぃちゃんは彼氏を作っていた。
そんなこと関係なく、ただ好きだといえばよかったかもしれないのに。
だが、今となってはどうでもいい。
早くクリスマスを二人で過ごしたい。
「で、もうヤッたのか」
「教えるわけねーだろ」
「ヤッたな」
「まちがいなくヤッたな」
「セカンド童貞卒業おめでとー」
「やめろ、そんなにご無沙汰じゃない、こともないかって何言わせんだバカ」
<ある居酒屋での男たちの会話 終>
(クリスマスに会う約束をした 辺りの徹志サイドのお話)
「おお!ザワ~こっちこっち」
居酒屋ののれんをくぐった途端、手招きをして俺を呼んだのは、高校時代からの悪友トモキ。
会沢徹志のザワというのが、俺の愛称でもありダンサーの時に使っている名前だ。
「うぃーす」
ざわついたフロアから少し奥まったところにある個室は俺たちの定番の席だ。
「久々に来たけど、有名人と一緒だからな。個室空いててよかったわ」
そう言ったのは、ヨシタカ。
「今や、日本一のダンサーのコーチ会沢徹志先生だもんな」
「やめてくれよ。生徒の親に会うと面倒だから、個室が気楽なだけだよ」
店員さんからおしぼりを受け取りながら、早速ビールを注文した。
先日、俺が経営するダンススクールは5周年を迎え、しかも生徒の一人が大きな大会で優勝するという快挙を成し遂げてくれた。
今夜はそのお祝いを忘年会も兼ねて二人がしてくれるという。
「やっぱ、さあ、ザワは生徒の親から言い寄られたりすんの? 何人食ったんだよ!」
「食わねぇよ! ”次のイベントや発表会ではうちの子をセンターにお願いします”会うと大体これ」
「あぁ~~」
トモキとヨシタカは、つまらなそうにポテトをかじった。
「ちゃんと実力とかも見極めて、順番にセンターになる様に必死で振り付けと配置組んでんのに。あの子の方が長いとか、ほんともう、どうにかして欲しい」
「お疲れちゃーん、それよりさ5周年と生徒の優勝おめでと~~う!」
「ありがと!」
カツンと乱暴にジョッキが合わさる。
「っていうかさ、ザワも初恋の女神拗らせてないで、そろそろ女作った方がいいじゃねーの」
「だよな。前の彼女も短期間で別れちゃってさ。いい子だったじゃん」
黙っていようかとも思ったが、こんな世界一の幸せを黙っていられるはずがない。
「おまえら、聞いて驚くなよ。俺はとうとう女神と付き合うことになったぞ」
「ウソ!」
「まじか!あのこけしヘアの?」
「こけしって言うな、ボブカットだ」
確かに中学の卒業アルバムのきぃちゃんは、写り的にちょっとこけし感合ったけど、それは黙っておいた。
「会わせろよ~」
「絶対、ヤダ」
「あぁ、成人式の日に女神に彼氏がいることを知って、4回目の世界大会への挑戦を取りやめたザワ君に教えてあげたい」
「あー、それ言うな。もう二度と口にするな。俺のメンタル傷つけるな」
世界一になってきぃちゃんの前に颯爽と登場しようと思ってた。
それが出来ないと彼女の前には行けないと思ってた。
だけど、そんなことに囚われてる間にきぃちゃんは彼氏を作っていた。
そんなこと関係なく、ただ好きだといえばよかったかもしれないのに。
だが、今となってはどうでもいい。
早くクリスマスを二人で過ごしたい。
「で、もうヤッたのか」
「教えるわけねーだろ」
「ヤッたな」
「まちがいなくヤッたな」
「セカンド童貞卒業おめでとー」
「やめろ、そんなにご無沙汰じゃない、こともないかって何言わせんだバカ」
<ある居酒屋での男たちの会話 終>