王室御用達の靴屋は彼女の足元にひざまづく
彼のハートより胃袋掴め
四十五分後。
晴恵はショッピングバッグを抱えて檜山家を再び訪れた。
サクリ。
晴恵の足の下で再び草が鳴る。
「しつこい。俺はアンタに惚れていない」
……彼は足音で人間を聞き分けているのか。好感度にプラス尊敬が少しだけ加算される。勇気を得て、晴恵は声をかけた。
「差し入れです」
一瞬、間があいたのをいいことに晴恵はずかずかと工房に入り込んだ。
ざっと工房内を見渡し、邪魔にならない、それでいて美味そうな匂いが届く場所に買ってきた惣菜をショッピングバッグごと置く。
檜山からはきゅーるるる……と可愛い腹の虫が聞こえる。
晴恵はニンマリした。
「商店街の方々に聞きました。『ともちゃん、いっつもお腹空かせてるのよ』って」
「おばちゃんどもめ……!」
忌々しそうな声を、赤くなった耳が裏切っている。
晴恵はショッピングバッグを抱えて檜山家を再び訪れた。
サクリ。
晴恵の足の下で再び草が鳴る。
「しつこい。俺はアンタに惚れていない」
……彼は足音で人間を聞き分けているのか。好感度にプラス尊敬が少しだけ加算される。勇気を得て、晴恵は声をかけた。
「差し入れです」
一瞬、間があいたのをいいことに晴恵はずかずかと工房に入り込んだ。
ざっと工房内を見渡し、邪魔にならない、それでいて美味そうな匂いが届く場所に買ってきた惣菜をショッピングバッグごと置く。
檜山からはきゅーるるる……と可愛い腹の虫が聞こえる。
晴恵はニンマリした。
「商店街の方々に聞きました。『ともちゃん、いっつもお腹空かせてるのよ』って」
「おばちゃんどもめ……!」
忌々しそうな声を、赤くなった耳が裏切っている。