今夜、私は惑わされる。
闇の街以来の再会
「今日も疲れたー!」
いつものように、重いリュックを背負いながら家に続く道を進む。
今日は、はじめ君とおしゃべりできてよかったな……。
もしかしたら、“闇の王子”さんに会えるかも……なんてね!
その時、
ブルルルル……
聞き覚えのある、バイクの音。
「久しぶり」
“闇の王子”さんが私の目の前に現れた。
「お、お久しぶりです」
「元気にしてたか?」
頭をくしゃくしゃっと撫でられる。
「元気にしてました……」
心臓が……やばい……!
私の胸が異常なほどに高まっている。
「そうか、良かった」
闇の王子さんは微笑む。
こんなふうに笑うんだ……!
初めて見る笑顔に驚いて、思わず闇の王子さんを凝視してしまう。