今夜、私は惑わされる。
“enemy”
意味は敵。
浅羽くん達は深刻そうな顔をしている。
「……enemyって、何か危害を加えてくるんですか?」
「当たり前だ。闇の街は本当に危ない奴らだからな」
浅羽くんにも、清さんにも危害の加わる可能性がある。
考えるだけで、震えが止まらない……。
「なな」
肩に温かい手がポンッと置かれる。
「心配しなくてもいい」
そう言われても……心配するに決まってる!
好きなんだから。
「ななちゃん、大丈夫だよ。浅羽、まじで強いから。この前なんか俺、ボコボコにされたから」
「余計なこと言うな」
「別にいいだろ〜!」
ずっと思ってたけど、敵対している割には仲いいよね、この二人。
そんな二人が微笑ましくなって思わず、声を出して笑ってしまう。
「「どうした?」」
声が揃っていて、余計に笑ってしまう。
「仲いいなっと思って」
私がそう言うと、二人とも目を開いてお互いを凝視していたのがまた、面白かった。