今夜、私は惑わされる。









「浅羽くん、お待たせ。待った?」



浅羽くんとのお出かけ当日。


私が待ち合わせ場所に行くと、そこには浅羽くんか居た。



「ちょうど、俺も来たところだから」



うわっ!かっこいい……。


黒いトップスにジーンズ。


耳にはピアス、そして、ネックレスを着けている。


モデルさん、みたい……。



「ななの私服初めて見た」



浅羽くんと会うとき、学校からいつもの場所へそのまま向かうからいつも制服だった。



「制服の時と雰囲気違って、可愛い」


「……あ、ありがと」



朝から一生懸命準備してきたから嬉しいな。


浅羽くんがポケットからスマートフォンを出して何やら時間を確認している。



「もうそろそろ行こっか。ななが喜びそうな場所、連れてってあげる」


「やった!」



浅羽くんに腕を掴まれ、指を絡められる。



「これ、デートみたいだね」



いたずらに微笑む浅羽くんに私は顔を赤くするだけで何も言えなかった。



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