今夜、私は惑わされる。



「ごめん、嘘ついて」



ななは、うつむいて一言も喋らない。


そうだよな……嫌いになったよな。


胸がズキズキと痛む。



「もう、襲われないようにしておくから」



俺はそう言い残してななの前から去った。


歩いていくうちに目から涙が溢れた。



「俺、そんなにななのことが好きだったんだな」



空を見て呟いた。


俺の気持ちと正反対に空は雲ひとつもない青空だった。


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