これからもどうぞよろしく
「それ」
「好きでしょ?」
だっていつも食べてたもんね。
高校の時を思い出しながらそう言えば、なぜか微妙な笑みを浮かべる秋に、あれ?と疑問が湧いてくる。
「もしかして、そんな好きじゃなかった?」
秋は甘いものが好きだし、実際あの頃は毎日のように食べてたからそう信じて疑わなかったけれど、もしかして違ったのかな?
「いや、好きだよ。好きだけど……」
「好きだけど?」
言い淀む秋に続きを促せば、笑うなよとひとつ釘を刺された。
「その、特別チョコが好きだったわけじゃなくて。いや、甘いのは普通に好きだから、普通には好きなんだけど」
かなりまどろっこしい言い方に、そんなに言いづらいことなら言わなくてもいいよと笑って言えば、少しだけ顔を赤くした秋とばっちり目が合う。
「いやだから……、あ〜〜もう! ぜってぇー笑うなよ!!」
「え、うん」
「優里がよくチョコ食べてるの見て、俺も真似してチョコ買ってたってだけ!!」