これからもどうぞよろしく


「……」
「……」

だ、だめだ。
笑うな私。

「……ふ、……んん"!」
「……もう別に笑っていいよ」


漏れ出た声を無理やり咳払いで誤魔化した私に、秋はどうやら諦めたらしく。


「……ふ、ふふっ。いや、本当ごめん。でも、あは、あははっ! そっか! そういうことだったんだね」


笑うなと言われた手前、大声で笑うのは憚られたけれど、震える肩とこぼれ出る笑みはどうしようもなかった。


「話してくれてありがと。あと笑ってごめんね」

了承が出た後も流石に申し訳なさが残るため、一通り笑った後に一応の謝罪を入れる。



「別にいいよ」

はぁ〜っと長い溜息をこぼした秋に、どうしようもなく愛しい気持ちが溢れてくる。


あの頃いつも秋が食べていたチョコレート。

その理由が私だと知った今、どうして平然としていられようか。

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