ライム〜あの日の先へ
車を走らせる零次の横顔は、やけに物憂げだった。声もいつものハリがない。ハンドルを握る手に力がこもっている。
これは、明らかに動揺している。
琴羽の直感だが、零次は鈴子のことを少なからず想っているのではないだろうか。
それは鈴子の生い立ちへの哀れみか、それとも恋愛感情なのか。そこまで突っ込んで探るかどうか思案しているうちに、車が自宅へと到着してしまった。
「もっと、鈴子とゆっくり話がしたいからさ、琴羽、彼女の連絡先教えてくれないか?」
「ダメよ。先生の個人情報を教えるわけないでしょ」
「だよなぁ。じゃあさ、鈴子に俺の連絡先伝えてよ。連絡待ってるって。お嬢さんの体調が良くなったらで構わないから」
それなら、大丈夫だろう。連絡するもしないも、鈴子の意思だ。
何かが始まるのか、このままフェードアウトするのか。
琴羽は見守ることにした。
「わかった。鈴子先生に伝えておくわ」
これは、明らかに動揺している。
琴羽の直感だが、零次は鈴子のことを少なからず想っているのではないだろうか。
それは鈴子の生い立ちへの哀れみか、それとも恋愛感情なのか。そこまで突っ込んで探るかどうか思案しているうちに、車が自宅へと到着してしまった。
「もっと、鈴子とゆっくり話がしたいからさ、琴羽、彼女の連絡先教えてくれないか?」
「ダメよ。先生の個人情報を教えるわけないでしょ」
「だよなぁ。じゃあさ、鈴子に俺の連絡先伝えてよ。連絡待ってるって。お嬢さんの体調が良くなったらで構わないから」
それなら、大丈夫だろう。連絡するもしないも、鈴子の意思だ。
何かが始まるのか、このままフェードアウトするのか。
琴羽は見守ることにした。
「わかった。鈴子先生に伝えておくわ」