ライム〜あの日の先へ
交錯する関係
※※※
一成が凛の病室を訪れると、凛はニコニコ笑って女性と話をしていた。
その女性はどこかで見たことがあるが思い出せない。人の名前と顔を覚えるのが得意な一成にしては珍しいことだ。
「あれ?ママは?」
一成が一人でやってきたことに凛は不満そうだ。
「ママはご飯食べてる。凛、具合はどう?」
「もうくるしくない」
「それはよかった。
あの、失礼ですが…?」
女性はスーツ姿。病院の関係者かと思ったが、随分と凛と親しい様子だ。
「息子が凛ちゃんとプリスクールで仲良くさせていただいているんです。
凛ちゃんが心配で仕事抜けてきちゃいました。
一条と申します」
彼女は慣れた手つきで名刺を差し出した。
[一条商事株式会社 一条琴羽]と印刷された名刺を受け取る。
ーーあぁ。この人か。
雑誌などで写真を見たことがあった。写真より実物のほうがきりっとした知的な美人だ。
一成が凛の病室を訪れると、凛はニコニコ笑って女性と話をしていた。
その女性はどこかで見たことがあるが思い出せない。人の名前と顔を覚えるのが得意な一成にしては珍しいことだ。
「あれ?ママは?」
一成が一人でやってきたことに凛は不満そうだ。
「ママはご飯食べてる。凛、具合はどう?」
「もうくるしくない」
「それはよかった。
あの、失礼ですが…?」
女性はスーツ姿。病院の関係者かと思ったが、随分と凛と親しい様子だ。
「息子が凛ちゃんとプリスクールで仲良くさせていただいているんです。
凛ちゃんが心配で仕事抜けてきちゃいました。
一条と申します」
彼女は慣れた手つきで名刺を差し出した。
[一条商事株式会社 一条琴羽]と印刷された名刺を受け取る。
ーーあぁ。この人か。
雑誌などで写真を見たことがあった。写真より実物のほうがきりっとした知的な美人だ。