ライム〜あの日の先へ
「あれ、琴羽?仕事は?」

凛の病室を覗いた水上は、琴羽の姿にきょとんとする。

「リンちゃんの様子が気になってちょっと抜けてきたの。すぐに戻る。
水上先生こそ、どうしたの?」
「エントランスで五嶋くんに偶然会って、ここまで案内してきたんだ」

病室に現れた水上と零次を見ると、凛の目が大きく見開かれキラキラと輝いた。

「あー、ハルトくんのパパ!りん、こんどハルトくんのおうちにあそびにいくね!
あ、ここびょういんだ。
おおきなこえをだしてごめんなさい」

水上の白衣をみてハッとなり、凛はあわてて口に手を当てる。怒られるかもと怯える様子さえ見せた。

「それなら、早く良くならないとね」

にっこりと微笑んで水上が凛のベッドに歩み寄り、簡単に診察をする。だが凛は水上の前では緊張するのか、顔をこわらばせていた。

「うん、顔色もいいし、呼吸も安定している。ご家族の方は?」
「今、主治医の先生のお話を聞きに行ってる」
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