ライム〜あの日の先へ
「時間ないから単刀直入に聞くけど、鈴子先生との間に何があったの?」
そんな零次にズバリと琴羽が尋ねた。
「ストレートに聞くなぁ。いつもなら駆け引きみたいな言葉で、相手の顔色を見ながら真実を探っていくのにさ」
「五嶋くんにはそんな回りくどいことしても意味ないもの。すぐに顔に出るし。
今もめちゃくちゃ動揺してる。
……あの人が気になってるんでしょ」
エレベーターの前で、琴羽がスタッフステーション内を指差す。
スタッフステーションの奥でパソコンを見ながら医師の話を聞いている一成の後ろ姿が見えていた。
「琴羽。お前なら知ってるだろ。鈴子は結婚してるのか?」
「個人情報は教えられないわ」
琴羽がそう答えるのはわかっていた。
零次は頭を抱える。
疑問符ばかりが頭を駆け巡っていく。一つも答えが見つからない。
「鈴子先生は五嶋くんの恋人だった?」
「恋人?……そんな関係だとは、おこがましくて言えない。
継ぐことになった会社の未来は決して明るくなかった。未来をつなぐために琴羽にプロポーズするって決めていたのに。
俺は辛くて苦しい時に、あの子が与えてくれた無償の愛を利用したんだ。
現実から逃げたくて、ほんのひとときの安らぎと快楽を求めてしまったんだ。鈴子には何も返してあげられないとわかっていたのに」
「ずっと、忘れられなかったのね?
それならそれは、本物の恋じゃない?」
そんな零次にズバリと琴羽が尋ねた。
「ストレートに聞くなぁ。いつもなら駆け引きみたいな言葉で、相手の顔色を見ながら真実を探っていくのにさ」
「五嶋くんにはそんな回りくどいことしても意味ないもの。すぐに顔に出るし。
今もめちゃくちゃ動揺してる。
……あの人が気になってるんでしょ」
エレベーターの前で、琴羽がスタッフステーション内を指差す。
スタッフステーションの奥でパソコンを見ながら医師の話を聞いている一成の後ろ姿が見えていた。
「琴羽。お前なら知ってるだろ。鈴子は結婚してるのか?」
「個人情報は教えられないわ」
琴羽がそう答えるのはわかっていた。
零次は頭を抱える。
疑問符ばかりが頭を駆け巡っていく。一つも答えが見つからない。
「鈴子先生は五嶋くんの恋人だった?」
「恋人?……そんな関係だとは、おこがましくて言えない。
継ぐことになった会社の未来は決して明るくなかった。未来をつなぐために琴羽にプロポーズするって決めていたのに。
俺は辛くて苦しい時に、あの子が与えてくれた無償の愛を利用したんだ。
現実から逃げたくて、ほんのひとときの安らぎと快楽を求めてしまったんだ。鈴子には何も返してあげられないとわかっていたのに」
「ずっと、忘れられなかったのね?
それならそれは、本物の恋じゃない?」