ライム〜あの日の先へ
雨はお迎えの時間になっても止まなかった。
今日は車での迎えが多くなることを想定して、鈴子は駐車場で車の誘導をすることになった。プリスクールは駐車場スペースがそれほど広くない。保護者はよく知っていて雨の日は特に順番を守って手早く子どもたちを迎えに来てくれる。
だが。
一台の赤い車が鈴子の制止を無視して駐車場に割り込んできた。
満車状態だというのに他の車の前に止めてしまう。
「困ります、この止め方だと前後の車が出られません」
「いいじゃない、すぐなんだから!」
運転席から降りてきた女性はそのまま走って園内へと入ってしまった。
おかげですでに車に乗り込んでいた保護者も出れずに待たされることになる。なかなか発進しない車の中で子どもが泣き出した声もする。
鈴子はひたすらに謝って頭をさげた。
「鈴子先生のせいじゃないですよ」
そんな迷惑を尻目に先ほどの女性が子どもを抱えて戻ってきた。
だが子どもが泣き叫び、女性はチャイルドシートにまごついてしまう。
「あーもう、ちょっと!手伝ってよ!」
逆ギレした女性が鈴子に声をかける。
仕方なく女性が子どもの体を抑え込んだスキに、鈴子がチャイルドシートのベルトを止めた。見ればその子は今日から一歳児のクラスに入園したというクレアちゃんだった。
「濡れちゃったじゃない、もう!」
ありがとうの感謝もなく女性は車を発進させて行ってしまった。
鈴子はあっけにとられながらも、車の誘導に戻った。
今日は車での迎えが多くなることを想定して、鈴子は駐車場で車の誘導をすることになった。プリスクールは駐車場スペースがそれほど広くない。保護者はよく知っていて雨の日は特に順番を守って手早く子どもたちを迎えに来てくれる。
だが。
一台の赤い車が鈴子の制止を無視して駐車場に割り込んできた。
満車状態だというのに他の車の前に止めてしまう。
「困ります、この止め方だと前後の車が出られません」
「いいじゃない、すぐなんだから!」
運転席から降りてきた女性はそのまま走って園内へと入ってしまった。
おかげですでに車に乗り込んでいた保護者も出れずに待たされることになる。なかなか発進しない車の中で子どもが泣き出した声もする。
鈴子はひたすらに謝って頭をさげた。
「鈴子先生のせいじゃないですよ」
そんな迷惑を尻目に先ほどの女性が子どもを抱えて戻ってきた。
だが子どもが泣き叫び、女性はチャイルドシートにまごついてしまう。
「あーもう、ちょっと!手伝ってよ!」
逆ギレした女性が鈴子に声をかける。
仕方なく女性が子どもの体を抑え込んだスキに、鈴子がチャイルドシートのベルトを止めた。見ればその子は今日から一歳児のクラスに入園したというクレアちゃんだった。
「濡れちゃったじゃない、もう!」
ありがとうの感謝もなく女性は車を発進させて行ってしまった。
鈴子はあっけにとられながらも、車の誘導に戻った。